資格取得戦略1 基本スペックを上げる資格取得が最優先

世の中は数多くの資格が存在する。

多くの資格を取得することや、合格のハードルが高い資格を取得することが重要だと考えているセラピストは多い。

しかし、実は、多くの資格や難易度の高い資格を取得することは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のキャリアの発展には直結しない。

資格取得の目的は、「資格取得により自分の価値観を満たしていくための働き方を実現する」ことである。

どのようにすれば、自分の価値観を満たしていくことができるだろうか?

最初に必要なことは「社会から必要とされる人材になる」ことである。

まず初めに、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として社会から必要とされる人材となり、社会のニーズを満たすことが重要である。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として社会のニーズを満たすことができなければ、自分の価値観を満たしていく行動に対して、社会は厳しい視線を送る。

つまり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として基本スペックが重要となってくる。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士としての基本スペックが備わっているからこそ、社会はあなたの価値観を認め、それを応援してくれる。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士なのに、治療効果が出せない、リスク管理ができない、専門性がない、リハビリテーションに関して議論できない、チーム医療が実践できないセラピストに対し、社会はそのセラピストの価値観を満たす言動を応援などするはずもない。 369037 基本スペックを上げるためには、 理学療法・作業療法・言語聴覚療法に関する学会や団体が認定している資格の取得 理学療法・作業療法・言語聴覚療法に関する学会発表や論文投稿 などの行動が重要である。

これらの行動を通じて得られる知識や経験は確実に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士としての基本スペックを向上させてくれるだろう。

キャリア・デザインを意識した資格習得戦略では、第一に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士としての基本スペックを上げることを最優先事項として取り組むことが求められる。

 

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

心地よい仕事ばかりしているとセラピストとしての成長は望めない

人の成長は今まで以上に労力と時間をかけなければ、達成することが出来ない課題や作業をしている時に生じる。

自分が出来ることの先にある「少ししんどい仕事」に挑戦しなければ、成長することはできない。

しかし、人間は出来るだけ変化のない状態を好む。

これを現状維持バイアスという。

現状維持バイアスとは、
変化よりも現状維持することを望む心理作用である。

変化することで利益を得られる可能性があるのに、変化を恐れて行動を起こすことができないのは人間が持つ心理的特徴である。

また、心理的負担のない課題や作業は自分にとって非常に居心地が良い気持ちになる。

このような心理的負担のない状況をコンフォートゾーンという。

つまり、人間は自分の成長を妨げる心理である現状維持バイアスを持っており、かつ、コンフォートゾーンが大好きなのである。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の方で何年たっても成長をしていない人に出会う。

そのような方は総じて、日々の仕事内容の量も質も変わっていない。

彼らはとにかく成長をしたくないのだ。

なぜならば、現状維持とコンフォートゾーンの中毒になっているからだ。

読者のみなさんは今、コンフォートゾーンにいますか?

コンフォートゾーンではなく、少し居心地の悪い状況にいる方は喜んでも良い。

それは成長ができる空間であるからだ。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

PT・OT・STのキャリアデザイン 過去の経験を未来へ活かそう

キャリアデザインやキャリアアップについて考える場合、「未来のこと」を一生懸命に計画する方が多いのではないかだろうか?

近い将来、〇〇な資格を取りたい。
次の職場は、〇〇ができることに行きたい。
大学院に行って、〇〇について勉強したい。
など未来について考えることがキャリアデザインであると考えている人は多い。

実は、キャリアを考える上で重要となるのは未来のことより、「過去のこと」である。

自分の価値観や自己概念をより反映したキャリアを開発できる人の特徴は 「過去のこと」に対する向き合い方が非常に上手であるということである。

「過去のこと」に向き合うことが上手という方は以下の2つについてしっかりと対応ができる。

1)過去から現在まで、人生や仕事において自分が置かれている状況を明確に把握している
2)過去から現在までの状況に対して、感情だけでなく、その状況に対して意味づけをしている

例えば、 「病院で嫌な仕事を与えられ、仕事を辞めたいと考えている。しかし、年齢も47歳で、今から転職するかどうか悩んでいる」 というキャリア上の悩みをセラピストが持っていたとする。

このような場合に、
1)今の病院で働いてきた中で、獲得してきた知識、経験、技術を整理する 2)嫌な仕事を与えられたことに対してどのような気持ちになっているのかを整理する
3)年齢が47歳が自分にとってどのような意味を持つのかを整理する
4)今から転職することで具体的にどのような不安があるのかを整理する 5)1)~4)の内容を統合した上で、自分は何に悩んでいて、そしてどの様にしたいのかを考える。

これらの一連の思考が、発展的で主体的なキャリア開発には欠かせない。 120889 キャリアを考えるうえで重要なのは 「経験の再現」と「意味の出現」の繰り返し である。

過去の経験をしっかりと振り返り、 それに対して、どのような感情や気持ちを持っているのか。

それを踏まえて、自分は将来どうしていきたいという気持ちを持っているのか?

この繰り返しをすることで、自己概念を反映したキャリアを選択することができるようになる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
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リハビリテーション部門コンサルタント
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

リハビリテーション部門の改革は価値観の統一が肝である

リハビリテーション部門の戦略を見直します
リハビリテーション部門に人事考課制度を導入します
リハビリテーション部門の組織図を見直しました

などの話を理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の責任者より聞くことが多い。

しかし、
リハビリテーション部門の理念やビジョンを見直しました
リハビリテーション部門のリハビリテーション技術に関する方針を定めました
などの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の価値観を見直した話はほとんど聞かない。

しかし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の価値観を変えずに、戦略・制度・組織を変化させたとしてもその実効性は乏しい。

価値観は組織力の源泉である。

価値観は全ての従業員の行動を制御するものであり、価値観の変更なくして戦略・制度・組織の変更には何の意味も持たない。

価値観に基づく、戦略・制度・組織を設計しなければ、すぐにそれらは形骸化する。

別の言い方をすれば、戦略・制度・組織は価値観(理念・ビジョン)を実現するために存在するのである。

戦略・制度・組織は管理者の一存で決めやすいものである。

これらは書類の上で、構築でいることから、ついつい戦略・制度・組織をいじってみたくなる。

一方で、価値観の設定や普及は非常に労力のかかるものである。

この数年間で何度も戦略・制度・組織をいじっているリハビリテーション部門は注意である。

価値観の浸透なき、戦略・制度・組織の変更はなんの意味がないことを知って欲しい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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関西医療大学保健医療学部 客員准教授

多職種からリスペクトされるセラピストじゃなきゃ、多職種連携の雲行きは怪しい件

うちの理学療法士は介護職から尊敬されていないのです。

作業療法士に福祉用具の検討をお願いしたのですが返事がなく困っています。

トランスファーが介護職よりできないセラピストが多くて呆れます(下図)。

これらは、私が実際にクライアント先で聞いた話である。

そして、これらの状況にあるセラピストの特徴は、多職種連携が全くできていないことである。

セラピストが多職種に影響力を発揮することが出来ないため、看護職や介護職がセラピストの助言や介入を軽視する傾向が強い。

つまり、セラピストに対する信頼がないため、セラピストの意見が重視されないのである。

無断転載禁止

多職種連携とは、双方の信頼が基盤となる。

信頼できない人の意見や指示を遵守することは難しい。

それは、医師、看護師、介護職、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士でも同様で、信頼関係の基盤があるからこそ、利他の精神で相互貢献ができる。

社会学者のレビンは人が人に影響を与える要因の一つに専門勢力と言うもの挙げている。

専門勢力(Expert Power)
影響の送り手が持つ当該の分野の実際の知識量や、その知識量について受け手が持つ認識によって決まる勢力

つまり、相手に専門性が低い場合、他者はその人から影響を受けないということである。

セラピストがリハビリテーションにおける多職種連携を促進したい場合は、セラピストが多職種にリスペクトされるほどの専門性を持つことは重要である。

トランスファーが出来ない
福祉用具の助言ができない
ADLの評価ができない
等は多職種から馬鹿にされることである。

まずは、最低限の専門性を確保し、周囲との信頼関係を構築すること。

それが多職種連携の基盤となる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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イラスト提供
福山真樹

理学療法士×イラストレーター
医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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