今回、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟はリハビリテーションサービスに直接的に影響する改定はなく、病棟マネジメントや連携に関する改定内容となった。
その中でも以下の点が、重要な改定内容だったと言える。
地域包括ケア病棟
入院料・入院医療管理料 3・4にも在宅復帰率7割の要件を新設され、満たさない場合は入院料が減算となる。
入院料・入院医療管理料3.4ではリハビリテーション職種も少なく、在宅復帰に取り組んでいない病棟があり、在宅復帰率7割の要件は相当厳しいものと予想される。
また、全て入院料で「自宅等から入院した患者が2割以上」の要件が設定された。
これは、自院の急性期病床からの受け皿機能に特化する病床を規制するものであり、地域包括ケア病棟として地域からの入院受け入れにシフトするように促すものである。
特に200床以上の医療機関の地域包括ケア病棟は、地域からの受け入れが乏しい傾向があるため、今後、ベッドコントロールに大きな課題が生じたと言える。
今回の改定を鑑みると、次期2024年度ではさらに地域包括ケア病棟の本来の役割であるサブアキュートや在宅復帰の強化が今後も行われると予想される。
回復期リハビリテーション病棟
今回はFIMの実績指数や施設基準に大きな変更はなかった。
今回、唯一大きな変更としては入院料1 ~ 4の重症患者割合が厳しくなったことである。
入院料1.2は重症度割合4割以上
入院料3.4重症度割合3割以上
に変更が行われた。
これにより、急性期と回復期の連携が重要となってくる。
回復期リハ病棟としては、より早期に急性期より患者の転院を促す必要がある。
しかし、急性期が回復期リハ病棟に早期に患者を転院させるためにはより状態を安定化させる必要があると言える。
また、急性期としてもどのような状態であれば回復期リハビリ病棟が受け入れることができるかの判断が重要となってくる。
したがって、回復期リハ病棟の重症度が上がることは、急性期の医療やリハビリテーションの質に影響すると言える。
投稿者
高木綾一
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術・経営管理学)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授